NISAの今年の枠、12月のいつまでに買えばいい?|判定は受渡日、年末に慌てない確認順

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こんにちは、税理士のきいちゃんです。

「今年のNISAの枠がまだ残っています。12月中に買えば今年の枠に入りますか?」

答えは、注文した日ではなく「受渡日」が今年のうちかどうかで決まります。12月に注文して約定しても、受渡日が年明けになれば、その買付は翌年の年間投資枠を使います。証券会社各社のNISAの案内も「受渡日基準」で説明しています。

しかも受渡日までの日数は、株式・ETFと投資信託で違い、投資信託の中でも商品ごとに違います。この記事では、受渡のしくみと、年末に慌てないための確認の順番を整理します。

年間投資枠は1年ごと。残った分は繰り越せない

まず前提です。2026年時点で、18歳以上の方のNISAの年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円、あわせて360万円です。生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までです(金融庁NISA特設ウェブサイト)。

年間投資枠は1月から12月までの1年ごとの枠で、使わなかった分を翌年以降に繰り越すことはできません。今年の残りを使いたいなら、受渡日を年内に収める必要があります。

もう1つ混同しやすいのが、売却したときの枠です。NISAで買った商品を売ると、その簿価(取得金額)の分だけ非課税保有限度額が復活しますが、復活するのは翌年以降です。年の途中で売っても、今年の年間投資枠は戻りません。くわしくはNISAを売却したら枠はいつ戻るかの記事にまとめています。

株式・ETFは「約定日を含めて3営業日目」が受渡日

国内の株式やETFは、取引日から起算して3営業日目に受渡しが行われます(2019年7月からのT+2。日本取引所グループの説明)。土日祝と年末年始の休業日は数えません。

東京証券取引所の休業日一覧では、2026年は12月31日(木)が休業日、2027年は1月1日から1月3日までが休業日です。これを当てはめると、計算上は次のようになります。

  • 12月28日(月)に約定 → 受渡日は12月30日(水)で、今年の枠
  • 12月29日(火)に約定 → 受渡日は2027年1月4日(月)で、翌年の枠

つまり、2026年の年内最終の取引日(12月30日・水)はもちろん、その前日の12月29日に買っても今年の枠には入りません。ここが一番の落とし穴です。ただし、これは取引所の休業日から数えた目安です。実際の締切や枠の切り替わりは、利用している証券会社が出す年末年始のスケジュールで必ず確認してください。たとえば松井証券は、受渡日が翌年になる取引日から翌年分の枠が使えるようになると案内しています。

外国株式は日本と現地の両方の休日が関わるので、各社の外国株の年末スケジュールを別に見てください。

投資信託は商品ごとに受渡日が違う。海外資産は長め

つみたて投資枠で買えるのは投資信託(とETFの一部)なので、つみたて投資枠を年内に使い切りたい方は、こちらが本題です。

投資信託は、申し込んだ日のあとに基準価額が決まり、さらに何営業日かあとに受渡日が来ます。この日数が商品ごとに違います。国内の資産に投資するものは比較的短く、海外の株式や債券を組み入れたものは、現地の市場の休みが入るぶん長くなりがちです。年末年始は海外市場の休場(クリスマスや元日)と重なって、申込みを受け付けない「ファンド休業日」が並ぶこともあります。

同じ日に注文しても、商品によって受渡が年内と年明けに分かれます。受渡日は、証券会社の銘柄ページや注文確認画面に表示されるので、注文前にそこを見てください。

きいちゃんメモ

年明けによく聞かれるのが「12月に買ったのに、今年の枠が減っていない」という質問です。たいていは、受渡日が年明けの商品だったケースです。取引報告書や取引履歴で、約定日だけでなく受渡日の欄を確かめると原因がわかります。

クレカ積立は月1回。12月の追加には間に合わないことがある

クレジットカードでの積立は、発注日が月1回と決まっていて、設定を変えても締切日を過ぎると反映は次の回になります。年の後半に「残りを埋めたい」と思って増額しても、12月分の発注に間に合わなければ、その年の枠には入りません。締切日と発注日の関係はクレカ積立の変更がいつ反映されるかの記事で確認できます。

また、クレカ積立の上限は、2024年3月の内閣府令の改正で月10万円までとされています(証券会社によってはこれより低いこともあります)。年の途中から始めた方は、クレカ積立だけではつみたて投資枠120万円を埋めきれません。残りを使うなら、現金(証券口座の預り金)でのスポット購入を組み合わせることになり、その場合も受渡日の確認は同じです。

年末に慌てない確認順

12月の前に確認したい5つ

  1. NISA口座の投資可能額(会社によって表示名は違います)で、つみたて投資枠と成長投資枠の今年の残りを見る
  2. 利用している証券会社の年末年始スケジュールで、年内受渡の最終日を確かめる
  3. 買う予定の投資信託の受渡日とファンド休業日を、銘柄ページで見る
  4. クレカ積立の増額は、12月分の締切日に間に合うかを見る。間に合わなければスポット購入を検討する
  5. 出しっぱなしの未約定の注文がないか見る(未約定の注文は枠を拘束している扱いの会社があります)

4つめの判断に迷う方は、そもそも毎月の積立日をどこに置くかを見直すのも手です。NISAの積立日の決め方もあわせてどうぞ。

枠を使い切ることは、必ずやるべきことですか?

いいえ。枠は上限であって、ノルマではありません。生活費や近いうちに使うお金まで入れて枠を埋める必要はありません。もともと入れるつもりだった余裕資金を、受渡日のせいで翌年に回さない、という考え方で十分です。

松井証券

NISAの「投資可能額」に翌年分の枠がいつ反映されるか、投資信託の受渡日をどこで見るかを、よくある質問で公開している証券会社です。この広告は証券口座の開設案内です。取扱商品やクレカ積立の条件、年末年始の取引スケジュールは公式サイトで確認してから選んでください。

おわりに

年末のNISAは「いつ注文したか」ではなく「いつ受け渡されるか」で年が決まります。株式・ETFは、2026年なら12月28日(月)の約定までが今年の枠の目安です(最終的には証券会社の年末スケジュールで確認)。投資信託は商品ごとの受渡日を見てから。12月に入る前に、残りの枠と自分の証券会社の年末スケジュールを一度見ておくだけで、慌てずに済みます。

X(@tax_kiichan)でも、NISAや税金の小さな疑問にお答えしています。

※本記事は執筆時点(2026年10月)の制度にもとづく一般的な情報提供です。個別の税務判断は、税務署または税理士にご相談ください。特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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