NISAを売却したら枠はいつ戻る?翌年再利用の注意点

NISA売却後の投資枠と翌年の再利用を確認する税理士きいちゃんのイラスト

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こんにちは、税理士のきいちゃんです。

「NISAの商品を売ったら、その日に投資枠が戻りますか?値上がりした分まで、また買えるのでしょうか?」

先に結論です。2024年からのNISAで商品を売却すると、売った商品の取得金額にあたる非課税保有限度額を、翌年以降に再利用できます。売却した年の枠がその場で戻るわけではなく、戻る金額も売却代金や利益ではありません。売るかどうかは、枠を戻すためではなく、使う時期と運用方針から決めましょう。

戻るのは、売却額ではなく買ったときの金額

金融庁は、NISAの非課税保有限度額を買付け残高、つまり簿価残高で管理すると案内しています。100万円で買った商品が140万円に値上がりして売れた場合、翌年以降に再利用できるのは100万円分です。反対に70万円へ値下がりして売った場合も、買ったときの100万円分が基準になります。

売却後の枠を考える三つの数字

  • 買った金額:翌年以降に再利用できる額の基準
  • 売った金額:口座へ戻る現金
  • 年間投資枠:その年に新しく買える上限

この三つを同じものとして考えると、「利益が出た分だけ枠も増える」「売ったお金をすぐ全額買い直せる」と誤解しやすくなります。取引画面では時価や評価損益が目立ちますが、枠の確認では取得金額と買付年を見てください。

売った年の年間投資枠は復活しない

新しいNISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円、合計360万円です。年内に成長投資枠で100万円を買ってから全て売っても、その年に使った100万円分が復活して、もう一度同じ枠で買えるわけではありません。年間投資枠の利用額は買付け時点で数えられます。

売却によって空くのは、生涯の非課税保有限度額です。上限は合計1,800万円で、そのうち成長投資枠で保有できるのは1,200万円までです。空いた分は翌年以降に使えますが、その年の年間投資枠360万円へ上乗せされるわけではありません。金融庁のNISA特設ウェブサイト「よくある質問」でも、簿価分を翌年以降に再利用できることが示されています。

きいちゃんメモ

「今年あといくら買えるか」と「生涯枠がいくら空いているか」は別々に確認します。証券会社の画面に両方が表示される場合は、名称を見てから金額をメモしてください。

2023年までのNISAを売っても、新NISAの枠は戻らない

2023年までの一般NISAやつみたてNISAで保有する商品は、2024年からのNISAとは別枠で管理されます。旧制度の商品を売っても、新しいNISAの非課税保有限度額を再利用できるようにはなりません。口座画面で保有年や制度名を確認し、旧制度の商品と新制度の商品を分けて考えてください。

旧制度の商品は、非課税期間やその後の扱いも新しいNISAと同じではありません。「枠を戻したいから」という理由だけで売却を急がず、いつ買った商品か、非課税期間がいつまでか、売却後のお金を何に使うかを先に整理します。

金融機関を変えた人は、どの口座で再利用するかも確認

NISAの金融機関を変更し、変更前の金融機関に商品を残している方もいます。金融庁の資料では、変更前の金融機関に残る新NISAの商品を売却して空いた枠は、変更後の金融機関のNISA口座で再利用すると案内されています。売却した口座へ自動的に買付枠が戻るとは限りません。

画面が二つに分かれている場合は、変更前の口座で取得金額と売却履歴を残し、変更後の口座で翌年の買付可能額を確認します。反映時期や表示名は金融機関によって違うため、年末や年初に慌てて注文せず、公式の案内や問い合わせ窓口で確認してください。

売る前に確認したい5項目

売却判断の確認表

  1. 2024年以降に買った商品か
  2. 取得金額はいくらか
  3. 今年の年間投資枠をいくら使ったか
  4. 売却代金をいつ使う予定か
  5. 売却後も同じ資産配分でよいか

NISA口座で得た一定の売却益や配当等は非課税になりますが、値下がりの可能性がなくなるわけではありません。NISA口座の損失は、課税口座の利益との損益通算や繰越控除に使えません。枠が翌年戻ることだけを材料にせず、生活費、近い将来の支出、保有商品の値動き、手数料を含めて考えましょう。

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NISA口座を選ぶときは、取扱商品、積立方法、取引画面、問い合わせ窓口、手数料を公式サイトで比較してください。売却枠の表示方法も、口座を作る前に確認しておくと安心です。

おわりに

NISAで売却すると、取得金額分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。ただし、売った年の年間投資枠は戻らず、売却額がそのまま復活額になるわけでもありません。まず保有年、取得金額、今年使った年間投資枠を並べてから、売る目的を言葉にしてください。

Xでも、お金の制度を判断の順番に分けて書いています。よかったら @tax_kiichan をのぞいてみてください。

※本記事は2026年9月8日時点の制度にもとづく一般的な情報です。NISAの制度、金融機関の表示、取扱商品、手数料は変更されることがあります。特定の金融商品の購入や売却を勧めるものではありません。最新の公式情報を確認し、投資判断はご自身の責任で行ってください。

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