使い切れないコスメに年いくら払っている?在庫を数えると見える3つのルール

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こんにちは、税理士のきいちゃんです。

「そんなに買っている感覚はないのに、コスメ代だけどうしても減らせません」

結論から書きます。コスメの無駄は「買いすぎ」で起きているのではなく、「同時に開けすぎ」で起きています。同じ用途のものを何本も開けると、どれも減らないまま古くなり、最後は使い切れずに処分することになります。買う量を我慢するより、いま家にある数を数えるほうが効きます。手持ちを数えるだけで、翌月の買い物が変わります。

やることは「棚卸し」。会計の考え方をポーチに持ち込む

事業をしていると、決算のときに必ず在庫を数えます。これが棚卸しです。仕入れた金額がそのまま経費になるのではなく、売れ残っている分は「資産」として手元に残ったまま、という整理をします。つまり、お金は出ていったのに、まだ成果になっていない分を可視化する作業です。

これはそのまま家計に使えます。買った瞬間に消えたと思っている化粧品代は、実際には引き出しの中に「在庫」として積み上がっています。数えていないから、増えていることにも気づけない。まずは全部出して並べて、数を書き出すだけで十分です。

きいちゃんメモ

棚卸しの数字を出す場面で「こんなに残っていたんですね」と驚かれる方は、毎年いらっしゃいます。数えるまで在庫は見えない、というのは事業でも家庭でも同じです。

使い切れなかった分を、金額に直してみる

感覚のままだと動けないので、金額にします。あくまで例として、こんな積み上げ方をしてみてください。

  • 使い切れずに処分したリップ3本(1本3,500円)=10,500円
  • 開封したまま1年以上たった美容液1本=8,000円
  • 色が合わずに数回で止まったファンデーション1つ=4,000円

これで年間22,500円です。月あたり約1,900円。ここに、セールでまとめ買いしたシートマスクや、旅行用に買って使わなかった小物が加わると、3万円に届くこともあります。この金額は「買った額」ではなく「使わずに捨てた額」です。同じお金で、本当に気に入ったものを1つ選び直せたはずのお金でもあります。

期限の目安を、ざっくりでいいので持っておく

化粧品のうち、アスコルビン酸(ビタミンC)やそのエステル・塩類、酵素を含むものと、適切に保存しても製造または輸入後3年以内に品質が変わるおそれのあるものには、使用期限を表示する義務があります。逆に言えば、期限の表示がない製品は、適切な保存条件のもとであれば製造または輸入から3年を超えても性状や品質が変わるおそれはない、と判断されたものです。購入日や開封日から3年という意味ではありません。ただし開封したあとは空気に触れるため、日本化粧品工業会も、いったん開封した化粧品は早めに使いきるようにと案内しています。保管場所や製品によって条件は変わるので、手元のものについては各メーカーの表示や案内を確認してください。

ここで大事なのは、正確な日数を覚えることではありません。「開けた瞬間から時計が動き出す」という感覚を持つことです。開けた数だけ、同時に時計が動きます。3本同時に開ければ、3本ぶんの時間との競争が始まります。

在庫が増えない3つのルール

1. 同じカテゴリは「開けるのは1つまで」

リップ、美容液、日焼け止め。カテゴリごとに、開封してよいのは1つと決めます。買うのは自由でいいので、開けるのは1つ。ストックは箱に入れたまま置いておきます。これだけで、減らないまま古くなるものをぐっと減らせます。

2. 買う前に「1日あたりいくらか」を出す

値札だけを見ると高い安いしか分かりません。使用回数で割ります。たとえば40mLで8,000円の美容液を、朝晩2回・約2か月で使い切るとすると、1日あたり約130円です。逆に、3,000円のものを半年放置して捨てたなら、1日あたりを出すまでもなく、3,000円がそのまま消えた計算になります。安さではなく、使い切れる速さで選ぶと考えると、判断が急に簡単になります。

この計算をすると、単品をあれこれ買い足すより、使う順番が決まっているシリーズのほうが管理しやすいことに気づきます。

オルビスユー

洗顔・化粧水・保湿液が一続きで並ぶシリーズなので、手持ちの本数を把握しやすいのが家計目線での利点です。まずは少量のトライアルから始めて、自分がどのくらいの速さで使い切るのかを実測してから本品に進むと、開けたまま余らせにくくなります。

3. 3か月触っていないものは「手放す候補」の箱へ

いきなり捨てようとすると、手が止まります。だから捨てません。空き箱をひとつ用意して、3か月まったく手が伸びなかったものを、そこに移すだけにします。移した日付を箱に書いておいて、さらに3か月たっても取り出さなかったものだけ、処分を考えます。

この「保留」があると、判断がずっと軽くなります。そして半年後、箱を開けたときに自分の買い方の癖がはっきり見えます。同じような色ばかり、同じような使用感ばかり、というのは本当によくあるパターンです。

今日やる3つ

  1. 手持ちのコスメを全部出して、カテゴリごとに本数を数える
  2. 開封済みが2つ以上あるカテゴリは、使うものを1つ決めて残りを箱に戻す
  3. 3か月触っていないものを「保留の箱」に移し、日付を書く

よくある質問

セールでまとめ買いするのは損ですか

使い切れる量なら得です。判断の基準は割引率ではなく、次のセールまでに使い切れるかどうか。ふだん1本を2か月で使うなら、半年に一度のセールで3本までが上限、という数え方をします。ここでも数えるのが先です。

いくらまでなら使っていいのでしょうか

金額の正解はありません。ただ、使い切れずに処分した分が年間で1万円を超えているなら、予算より先に管理を見直すサインだと考えています。同じ予算のまま、開ける数を絞るだけで満足度が上がることが多いです。

個人事業主でも化粧品代は経費になりますか

日常的な身だしなみのための化粧品は、原則として家事費と扱われ、経費にはなりません。撮影や舞台など、業務そのものに直接必要と説明できる特別な事情がある場合に限られます。判断に迷うときは、税務署または税理士にご相談ください。

おわりに

棚卸しは、自分を責めるための作業ではありません。数えたあとに残るのは「これは好きだから使い切った」という手応えのほうです。買い物を減らすのではなく、開ける数を減らす。それだけで、翌月のレシートは静かに変わります。まずは引き出しをひとつ、今日開けてみてください。

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※本記事は執筆時点(2026年8月)の一般的な家計管理の考え方を紹介するものです。金額はあくまで例であり、化粧品の使用期限や保管方法は製品ごとに異なります。詳しくは各メーカーの案内をご確認ください。

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