こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「夜に洗濯を回すようにしたら、朝になってもまだ湿っている」
先に答えを書きます。夜洗濯がうまくいくかどうかを決めているのは、洗濯機の性能でも洗剤でもなく、干し終わってから朝までの数時間、洗濯物のまわりで空気が動いていたかどうかです。乾かない家の多くは、干す場所が狭いのではなく、風の通り道がないまま朝を迎えています。干し方を変えるだけで直る部分が、かなり残っています。
朝に干す暮らしから、夜に回す暮らしへ
朝に洗濯機を回して、出かける前に干す。この順番が成り立つのは、朝に三十分の余白があるときだけです。起きるのが少し遅れる、お弁当をつくる、子どもの支度がある。そのどれかが入れば、洗濯だけが後ろにずれます。
それで、夜に回すようになります。問題が起きるのは、そのあとです。洗い終わるのが夜十時をまわり、干し始めるのは自分がいちばん疲れている時間帯になります。
夜に回すと起きること、四つ
ひとつめは、乾かないこと。夜は気温が下がるぶん、空気が抱えられる水分の量も減ります。同じ部屋でも、昼と夜では条件が違います。
ふたつめは、においが出ること。生乾きのにおいは、乾くまでの時間が長くなるほど出やすいと言われます。夜干しは、その「長い時間」に当たりやすい干し方です。
三つめは、音。脱水の振動は、床を伝って下の階や隣の部屋に届きます。夜遅くの運転は、自分では気にならない音でも静かな時間帯には目立ちます。においも同じで、夜のベランダ干しは風向きによって隣の窓のほうへ流れます。夜に回すなら、遅い時間の運転をやめる日をつくるか、予約機能で終わる時刻を前倒しするほうが、結局は続きます。
四つめは、朝までに畳めないこと。乾いていない洗濯物は取り込めないので、干したまま出かけることになります。この状態が二日続くと、洗濯そのものが億劫になります。
においが出るときは、順番に疑う
部屋干しのにおいは、原因をひとつに決めつけないほうが早く解決します。上から順に見てください。
一、乾くまでの時間が長い。干してから半日たってもまだ冷たく湿っているなら、条件が足りていません。
二、風が当たっていない。干している場所に手をかざしてみて、空気の動きを感じないなら、洗濯物は自分の周りの湿った空気に囲まれたままです。
三、洗濯物どうしが近い。竿がいっぱいで、シャツとシャツが触れている。触れたところは最後まで乾きません。
四、洗濯槽そのもの。洗い上がった直後の洗濯物からすでににおうときは、干し方ではなく槽のほうを疑います。手入れの頻度や方法は機種によって違うので、必ずお使いの機種の取扱説明書を確認してください。
一と二と三は、たいてい同時に起きています。間隔をあけると風が通り、風が通ると乾く時間が短くなる。ひとつ直せば連鎖して良くなります。
干し方の物差しは、お金以外のところにある
夜洗濯を立て直すときに見るのは、次の五つです。
干す間隔。こぶし一つぶん、だいたい十センチ前後あけるのが目安としてよく言われます。枚数を減らすのではなく、竿を二本に分けるだけでも変わります。
風の通り道。空気は、入る場所と出る場所の両方がないと動きません。窓を一か所開けるだけでは流れないので、部屋のドアを少し開ける、換気扇を回すなど出口をつくります。
風を当てる向き。サーキュレーターは、洗濯物の一枚に集中させるより、下から斜めに当てて部屋全体の空気を回すほうが向いています。首を振らせ、洗濯物の列の下側をなでるように。
部屋の湿度。洗濯物から出た水分は、そのまま部屋にたまります。湿度が高い部屋では風を当てても限界があるので、湿度計をひとつ置くと、風だけで足りる日と足りない日が見分けられます。
干す高さ。冷たい空気は下にたまります。床に近い位置より、少し高い位置のほうが乾きやすい。長いものが床につくのも避けたいところです。
道具を足すなら、家の形で選ぶ
正解はありません。家の形と、いま何がいちばんつらいかで変わります。
衣類乾燥機(乾燥機能つきの洗濯機を含む)。干す工程そのものがなくなるのが最大の変化です。干す場所がない家、タオルやシーツの量が多い家には効きます。一方で運転音と時間が長めになりやすく、縮みやすい素材は分けて干すことになります。
除湿機。部屋の湿度そのものを下げるので、締め切った部屋に干す人には相性がいいです。ただしタンクの水を捨てる工程が毎回増えます。この一工程が続かない人は、けっこういます。
サーキュレーター。いちばん小さな追加で、風の通り道をつくる役です。ただし置き場所は必要で、使わない季節のしまい場所まで決めておかないと部屋の隅に立ったままになります。置き場所から先に決める考え方は、スティック掃除機を置く場所の話にも書きました。
浴室乾燥。干す場所と乾かす場所が同じで、ドアを閉められるのが強みです。そのぶん乾かしているあいだお風呂が使えず、家族の入浴時間とぶつかる家では使える時間帯が限られます。
夜洗濯をやめた人の理由
続かなかった理由も並べておきます。合わないと分かることも材料です。
音が気になって朝に戻した、という声はよく聞きます。干す場所が足りず、畳めない服が椅子の上に積まれていった、という話も多いです。除湿機の水を捨てる手間が増えて、二週間で使わなくなった、というのも典型的です。
逆に、夜洗濯が定着しているのは、干す場所が生活動線から外れている家です。使っていない部屋、廊下の端、浴室。目に入らない場所に干せると、乾き切らなくても暮らしが崩れません。
季節で条件はまるごと変わる
いまの夏の終わりは、気温は高いのに湿気が残っている時期です。暖かいから乾くはず、と思っていると乾きません。風を回すより、湿度を下げるほうが効きます。
これから秋が深まると、空気が乾いてきて、風を通すだけでずいぶん楽になります。そして梅雨はまた別で、外の空気そのものが湿っているため、窓を開けるほど乾きにくくなることもあります。同じやり方が一年じゅう通用しないのが、この問題のややこしいところです。
おわりに
夜に洗濯を回すのは、朝の自分を助けるための工夫です。それがうまくいかないのは、だらしないからではなくて、干す場所の空気の条件が合っていないだけのことが多いです。まずは間隔をあけて、風の出口をつくる。それで足りなければ道具を足す。順番はこれで足ります。
朝、乾いた洗濯物を取り込めた日は、その日ぜんぶが少し軽くなります。そこまで持っていければ成功です。
Xでも、暮らしまわりの細かい話をぽつぽつ書いています。よかったらのぞいてみてください。
※本記事は一般的な情報提供です。仕様や使い勝手は製品によって異なります。実際の使用方法・お手入れは各メーカーの取扱説明書に従ってください。

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