こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「せっかく買ったのに、週末しか使っていない」
スティック型の掃除機の話をすると、たいてい吸引力の話になります。けれど、実際に使う回数を決めているのはそこではありません。取り出すまでに何手かかるかです。押し入れの奥から引き出して、コードを外して、ノズルを付け替えて——そこまでで三手かかる置き方をしていると、床の砂粒が見えても手が伸びません。逆に、立っている場所から一歩で届くところに掛かっていれば、二分だけ動かす日が増えます。
だから、買う前に決めておくのは機種より置き場所です。置き場所が決まらないまま持ち帰ると、たいてい部屋の隅で立てておかれ、そのうちしまい込まれます。
置き場所を決める、4つの物差し
順番に見ていくと、候補はだいたい一つか二つに絞れます。
①よく汚れる場所の近くか。家の中で床が汚れるのは決まった場所です。食卓の下、玄関、洗面所の足元。そこから遠いほど、取りに行く手間が汚れの気になり具合を上回ってしまいます。
②片手で取れるか。もう片方の手には、たいてい別のものを持っています。扉を開けて、しゃがんで、両手で持ち上げる置き方は、それだけで一手増えます。
③コンセントがあるか。充電式は、置き場所とコンセントの位置がずれると成立しません。延長コードで引っぱると足元が煩雑になり、結果的にそこに置きたくなくなります。
④見えていても気にならないか。ここが意外と大きいところです。見えるのが嫌で扉の中に入れると①〜③が崩れます。見せる前提で置ける色や形かどうかは、性能表には出てきません。
置き場所の型を、三つ並べてみる
キッチンの脇。床がいちばん汚れる場所のそばで、料理の合間に手が伸びます。向くのは、ダイニングとキッチンがつながっている家。向かないのは、キッチンが狭く、作業台の周りに物を置く余裕がない家です。
廊下や階段の下。生活空間から見えにくく、家全体の中心にも近い置き方です。向くのは、廊下にコンセントがある家。向かないのは、そこが暗くて奥まっている家で、視界に入らないぶん存在を忘れがちになります。
リビングの壁際。いちばん取り出しやすく、いちばん見える置き方です。向くのは、家族が長くいる部屋で細かいゴミが出やすい家。向かないのは、来客が多くて生活感を出したくない場合。ここは好みが割れます。
道具は、性能ではなく取り出しやすさで使う回数が決まります。同じことは調理家電にも起こります。電気圧力鍋で夕方の段取りはどう変わるかでも、出しっぱなしにできるかどうかが分かれ目でした。
使う回数を落とす、小さな引っかかり
置き場所が決まっても、途中に小さな引っかかりがあると回数は落ちます。よくあるのが次の三つです。
ひとつは、ゴミを捨てる工程。ダストカップを外して、ゴミ箱の上で開けて、ふちに残ったものを取る。この一連が面倒だと、満杯のまま置かれて吸いが落ち、そのうち手が伸びなくなります。ふたつめは、充電台とゴミ箱が遠いこと。捨てるために別の部屋へ移動する動線だと、掃除のたびに家を横断することになります。三つめは、フィルターを洗う場所がないこと。洗面台が狭かったり、乾かす場所がなかったりすると、洗う工程だけが先延ばしになります。
しまい込まれた道具が出てこなくなる感覚は、掃除機に限りません。試供品とサンプルが引き出しに溜まっていくのと同じで、視界から消えたものは意識からも消えます。
選ぶときに見る、お金以外の物差し
置き場所が決まると、見るところがはっきりします。以下は一般的な仕様の幅で、製品によって差があります。
重さは1.5kg前後のものが多く、数字が同じでも重心の位置で体感は変わります。手元にモーターがあるタイプは持ち上げやすく、棚の上や階段に向きます。連続運転時間は強さの設定によって20〜40分ほどの幅で語られることが多く、充電時間は3〜4時間かかるものも珍しくありません。家が広い、あるいは一度に全部を掃除したい人は、ここを先に確認したほうがいいところです。
音は、住まいの条件と生活時間で重さが変わります。集合住宅で夜に動かしたいなら、強運転を使わずに済む使い方ができるかが現実的な基準です。ゴミの捨て方は、紙パック式なら手を触れずに交換でき、サイクロン式なら交換部品を買い足さずに済む。どちらが楽かは、ほこりに触れるのが苦手かどうかで変わります。あとは洗う部品の数。洗うものが2〜3つあるタイプは、手入れの日を決めておかないと溜まります。最後に付属ノズルの置き場所。細いノズルやブラシは、本体と一緒に掛けられないと行方不明になります。
合わなかった人の理由
手放した人、使わなくなった人の理由も並べておきます。
置き場所が最後まで決まらず、結局クローゼットにしまい込んだ。家が広くて、一階を終える前に充電が切れる。運転音が気になって、帰りが遅い日にはどうしても動かせない。すでにあるコード式の掃除機を捨てられず、二台を置く場所と手入れの手間が二重になった——このあたりが多い理由です。どれも性能の不満ではなく、暮らしの条件との噛み合わせの話です。
別の道具のほうが合うこともある
週末にまとめて一気に掃除するほうが性に合っている人は、コード式のほうがストレスがありません。充電の残りを気にせず、吸う力も安定します。フローリング中心で砂やほこりが主なら、フロアワイパーとほうきで足りる家もあります。狭い部屋なら、卓上サイズのハンディタイプ一台のほうが出番が多いこともあります。正解を一つに決める必要はなくて、自分の掃除の「かたまり方」に合う道具を選べばいいのだと思います。
なお、バッテリーの処分方法やフィルターの洗い方は製品によって決まりが違います。各メーカーの取扱説明書と、お住まいの自治体の案内に従ってください。
SwitchBot 公式サイト
スティック掃除機を出す一手そのものを減らしたい人は、ロボット掃除機も比較対象になります。置き場所に本体とステーションが収まるか、段差や手入れ方法が暮らしに合うかを、公式仕様で確認してから選びましょう。
おわりに
使えていないのは、続かない自分のせいではありません。だいたいは、置き場所が生活の動線からずれているだけです。今あるものなら、置き場所を一か所ずらしてみる。これから選ぶなら、機種を決める前に「ここに掛ける」という場所を先に決めてしまう。それだけで、掃除は「する日」から「気づいたときにやること」に変わります。
暮らしの道具の話や、日々のちょっとした気づきはX(tax_kiichan)でも書いています。よかったら覗いてみてください。
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※本記事は一般的な情報提供です。仕様や使い勝手は製品によって異なります。実際の使用方法・お手入れは各メーカーの取扱説明書に従ってください。
