iDeCoを年末調整で控除する方法|証明書の届く時期となくしたとき

執筆者:

カテゴリ:

こんにちは、税理士のきいちゃんです。

「iDeCoを始めた年の年末調整、何を出せばいいんですか?」

答えは、掛金の払い方で決まります。給与から天引きされている(事業主払込)なら、会社が給与計算の中で控除するので、証明書も申告書への記入も要りません。自分の口座から引き落とされている(個人払込)なら、秋に国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を保険料控除申告書に添付します。

iDeCoの掛金は全額が所得控除になり、所得税と住民税の両方が軽くなります。小規模企業共済と同じ控除なので、しくみは小規模企業共済の掛金は全額所得控除も参考にしてください。

証明書はいつ届く?加入した時期で4回に分かれます

証明書は圧着はがきで届きます。令和7年分は、1〜9月に掛金の引落しがあった方には10月23日頃に発行され、そのあと10月・11月・12月に初めて引落しがあった方へ、それぞれ11月下旬・12月下旬・翌年1月下旬に発行されました。令和8年分も例年どおりなら、10月下旬から順に届く見込みです。

つまり、12月が初回引落しの方は、証明書が年明けまで届きません。年末調整に間に合わないので、後で出てくる「間に合わないとき」の方法を使います。

10月に届く証明書には、1〜9月に払った額に、12月までの引落予定額を足した1年分が載っています。年の途中で加入した方も、その年の見込額が入っているので、そのまま使えます。

きいちゃんメモ

控除は「引き落とされた年」で数えます。iDeCoの掛金は当月分が翌月26日に引き落とされるので、その年の控除になるのは、前年12月分(1月引落)から当年11月分(12月引落)までです。実務でいちばん質問が多いのが「12月分の掛金が今年の証明書に入っていない」という件ですが、これが理由です。

保険料控除申告書の書き方

「給与所得者の保険料控除申告書」の「小規模企業共済等掛金控除」の枠にある、「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の欄に、証明書の合計額を書きます。はがきは、左上に「重要」とある証明書のページ(いちばん右側)を切り取って添付します。

ひとつ注意があります。証明書に載っているのは予定額なので、残高不足で12月の引落しができなかった場合、0円の証明書は発行されません。予定額のまま年末調整を済ませた方は、確定申告で直すことになります。引落口座の残高は年末まで気にかけておいてください。

なくしたとき・届かないとき

再発行は、加入している金融機関(運営管理機関)のコールセンターに申し出て、再発行申請書を出すのが基本です。発行まで2週間ほどかかり、今年分を含めて過去5年分まで再発行できます。10月以降に住所変更届を出した方は、再発行申請書に「住所変更提出済」と書き添えると新住所へ送ってもらえます。

急ぐなら電子交付です。マイナポータルと「e-私書箱」を連携すると、証明書のデータを受け取れます。紙で出す会社なら、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」で、二次元コード付きの書面に印刷して提出できます。データをそのまま印刷したものは使えないので気をつけてください。

年末調整に間に合わなければ確定申告で

国税庁の年末調整の手引きには、翌年1月末日までに証明書を出すことを条件に年末調整を行い、期日までに出なければその掛金を除いてやり直す、という扱いが書かれています。後から出せるかどうかは勤務先しだいなので、まず担当の方に相談してください。

だめなら、年末調整では控除を受けずに確定申告で受けます。確定申告の必要がない会社員の還付申告は、翌年1月1日から5年間出せます(国税庁 No.2030)。なお、令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に出すときは、証明書の添付に代えて、一定の事項を書いた明細書を添付できるようになります(国税庁 No.1135)。

どれくらい軽くなる?

月2万円なら1年の掛金は24万円です。所得税率10%の方なら、令和8年分の所得税が24,000円(復興特別所得税を除く)、翌年度の住民税が24,000円軽くなり、合わせておよそ4万8千円です。証明書1枚を出し忘れると、この分をまるごと取りこぼします。他の証明書とまとめて確認したい方は年末調整で見落としがちな控除5つもどうぞ。

松井証券

松井証券はiDeCoの取扱いがあり、証明書の発行時期や再発行の案内も「よくある質問」にまとまっています。この広告は証券口座の開設案内です。NISAと並べて使い道を考えたい方は、取扱商品や手数料、iDeCoの手続きの流れを公式サイトで確認してから選んでください。

よくある質問

2026年12月の制度改正で掛金を増やしたら、今年の控除も増えますか?

拠出限度額の引き上げは2026年12月分(2027年1月引落分)からです。引落しが翌年になるので、令和8年分の控除額には影響しません。区分ごとの金額は、厚生労働省の施行日別の図表で確認してください。

会社の企業型DCで自分も上乗せしています。申告書に書きますか?

企業型年金の加入者掛金(いわゆるマッチング拠出)も同じ控除の対象ですが、ふつうは給与から差し引かれています。国税庁の手引きでは、毎月の給与から差し引かれる掛金は会社が集計して控除するので、証明書は要りません。申告書に書くのは、自分で直接払っている掛金だけです。

おわりに

iDeCoは、毎月積み立てるだけでなく、年に一度の証明書で節税が完成する制度です。はがきが届いたら、ほかの郵便物に紛れる前に年末調整の書類と一緒にしておいてください。なくしても再発行や確定申告で間に合うので、あきらめなくて大丈夫です。

日々の税金の話は、X(@tax_kiichan)でも短く書いています。

※本記事は執筆時点(2026年9月)の制度にもとづく一般的な情報提供です。個別の税務判断は、税務署または税理士にご相談ください。特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です