こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「現金の売上は、一件ずつ会計ソフトへ入れますか?レジの残高が合わない日もあり、年末にまとめて直すのが不安です」
先に結論です。現金売上は、事業用の現金が動いた日に記録し、その日の帳簿残高と実際の現金を照合するのが基本です。白色申告の簡易な記帳では、少額な現金売上や小売業などの現金売上を日々の合計額で記載できる場合があります。ただし、レジ記録や売上票など、合計額の根拠は残してください。
現金売上と、売掛金の回収を分ける
商品を渡した日やサービスを提供した日に代金を現金で受け取ったなら、一般的な仕訳は「現金/売上」です。たとえば一万二千円なら、現金一万二千円を借方、売上一万二千円を貸方へ記録します。消費税の課税事業者は、取引に応じた税区分も確認します。
一方、すでに売上と売掛金を記録した取引の代金を後日受け取ったときは、「現金/売掛金」です。受取日にもう一度「売上」を入れると二重計上になります。売上をいつ記録するか迷う方は、十二月の仕事代が一月入金になる場合の売上計上時期も先に確認してください。
レジで現金、カード、コード決済を一緒に集計している場合も、現金出納帳へ入るのは実際に現金で受け取った分です。決済別の集計を見ず、レジの総売上をすべて「現金」にすると、帳簿残高だけが大きくなります。
レジ締めから記帳までの5手順
- 営業開始時の現金を決める
釣銭として用意した金額を確認します。毎日同じ額に戻す運用なら、前日からのつながりも見つけやすくなります。 - 決済方法ごとの売上を出す
現金売上、カード、コード決済、掛売上を分けます。返品や値引きがあれば、元の売上と対応する記録も残します。 - 売上以外の現金移動を拾う
店頭で払った消耗品、銀行へ預けたお金、事業主が補充したお金、生活費として持ち出したお金を確認します。 - 実際の現金を数える
紙幣と硬貨を種類別に数え、釣銭を含む閉店時の実在額をメモします。数えた時刻も書いておくと、後の入出金との混同を防げます。 - 帳簿残高と照合する
開始残高に当日の入金を足し、出金を引いた金額と、実際の現金を比べます。一致したら、売上票やレジ日報をその日の記帳と結び付けて保存します。
国税庁の「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」には、現金売上、返品、預金からの引出し、売掛金の回収、事業主からの入金を分けた現金出納帳の例があります。帳簿は税金のためだけでなく、現金の動きを再現する道具と考えると続けやすくなります。
「レジの売上」と「レジの中にある現金」は同じとは限りません。カード売上は現金を増やさず、銀行への入金や現金払いの経費はレジ残高を減らします。まず決済と現金移動を分けましょう。
残高が合わない日は、差額を先に埋めない
差額が出たら、最初に開始残高と釣銭を見直します。次に、現金とキャッシュレスの選択間違い、返品・取消し、レジを通さない現金経費、銀行への入金、生活費の持出しを順番に確認します。日付が変わる前後の入出金も見落としやすいところです。
原因が見つかったら、元の記録を黙って上書きせず、訂正した日、理由、修正前後の金額、確認に使った資料を残します。原因が分からない差額を、毎回同じ勘定科目で機械的に消すのはおすすめできません。金額が大きい、何日も続く、従業員が現金を扱う場合は、処理を決める前に税理士へ相談してください。
国税庁は、事業所得などが生じる業務を行う方に、収入や経費の取引を帳簿へ記録し、一定期間保存するよう案内しています。白色申告の簡易記帳で日々の合計額を使う場合も、何月何日の売上かを追える状態にします。詳しくは個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存についてで確認できます。
会計ソフトでは、現金口座を一つに決める
同じ現金売上をレジ連携と手入力の両方で登録すると、二重計上につながります。どの記録を正本にするか決め、連携データを取り込む日は手入力と重ならないか確認しましょう。店舗用の現金と個人の財布も分けます。個人のお金を補充した場合や生活費を持ち出した場合は、事業主貸と事業主借の違いで整理できます。
毎日の入力と残高確認を一か所へまとめたい方は、会計ソフトの現金出納帳、連携できるレジ、訂正履歴、証憑の保存方法を比べます。自動連携があっても、現金を数えて照合する作業そのものは省かないでください。
マネーフォワード クラウド確定申告
現金売上の入力と、ほかの決済データの管理をまとめたい方は、利用しているレジとの連携可否、対象機能、料金、データ保存方法を公式ページで確認し、自分の運用に合うか比べてください。
おわりに
現金売上は、後で一年分を思い出して入力するより、営業日の終わりにレジ記録、帳簿、実際の現金をそろえるほうが修正しやすくなります。まずは開始残高を決め、決済別売上、売上以外の現金移動、実在額の順に確認してください。
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Xでも、確定申告と仕事のお金を整える手順を書いています。よかったら @tax_kiichan をのぞいてみてください。
※本記事は2026年9月8日時点の国税庁公表資料にもとづく一般的な情報です。必要な帳簿、売上の計上時期、消費税の税区分、現金差額の処理は、申告方法、取引内容、事業者の状況で異なります。個別の税務判断は税務署または税理士にご相談ください。

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