こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「衣替えを終わらせたのに、また暑い日が戻ってきた」
九月の初めに、そろそろかな、と思って一気にやる。夏物を全部しまって、秋物を全部出す。それなのに数日後に気温が戻って、しまったばかりの箱をまた開けている——という声を、この時期はよく聞きます。
先に結論を書きます。衣替えは1日で終わらせないほうが、たぶんうまくいきます。やることを「入れ替える」から「重ねる期間をつくる」に変えるだけで、出し直しがほとんど起きなくなります。
1日で終わらせると、何が起きるか
いちばん困るのは、暑さが戻った朝です。半袖はもう箱の中で、箱はクローゼットの上段か、ベッドの下。取り出すのに椅子がいる場所にあることも多いです。出勤前の十分間にやる作業ではありません。
結果として、たまたま洗濯かごの上にあった一枚を着ることになります。そのうちに「出しっぱなしの数枚」と「しまった大多数」に分かれて、部屋には片づけたはずの服が積まれていく。片づけた直後がいちばん散らかる、という不思議なことが起きます。
もうひとつは、しまい方が雑になることです。一日で全部やろうとすると、後半は必ず急ぎます。汗の残った服をそのまま畳んだり、ケースに押し込んだりするのは、たいてい終盤の一時間です。
「重ねる期間」を4段階でつくる
やることは、夏物と秋物が同じ場所に並んでいる時間を、意図的に二週間から三週間つくることです。順番だけ決めておきます。
重ねる期間のつくり方
- 出すだけの日。しまう作業はしません。長袖や羽織りものの中から、よく着るものを三枚から五枚だけ出して、クローゼットの手前に掛けます。夏物はそのままにしておきます
- 重ねる期間。手前が秋、奥が夏。この状態で二週間ほど暮らします。朝は手前から選び、暑ければ奥に手を伸ばせばいい、という状態です
- 触らなかったものから、しまう。二週間で一度も手が伸びなかった夏物から順に、洗ってしまいます。全部ではなく、確実に出番のないものだけです
- 最後の数枚は残す。半袖のうち二枚か三枚は、しまわずに残します。重ね着の下や部屋着として、冬まで出番があります
この四段階のいいところは、途中で気温が戻っても何も起きないことです。奥に手を伸ばすだけで済むので、箱を開ける朝が来ません。
置く場所を、行動の順番で決める
重ねる期間をつくると、次に効いてくるのが置き場所です。
まず、クローゼットの手前は「今週着るもの」の場所にします。ここに十着掛けると選ぶのに迷うので、五着前後で止めておくほうが朝が速いです。よく使うものだけを手前に置くという考え方は、掃除道具は一軍だけ近くにで書いたことと同じ構造です。
次に、夜に洗って翌朝に着るものです。これはクローゼットに戻さず、干す場所の近くに置ける状態にしておくと動線が短くなります。乾くまでの時間は室内で数時間から一晩と幅がありますから、翌朝の一枚は前の晩に決めておくと安心です。
もうひとつ、薄手の羽織りものは玄関に近い場所に一枚置いておくと、朝の急な冷え込みに対応できます。荷物の置き場所の話とつながるところは、帰宅後の荷物が散らからない置き場所設計にも書いています。
しまう前にやること
段階的にしまうと、ここに手間をかける余裕が生まれます。
洗ってからしまう。見た目がきれいでも、汗や皮脂は残っています。時間がたってから黄ばみとして出てくるのは、この残りです。
完全に乾かす。畳んだときに少し冷たい感じがしたら、まだ水分があります。乾いたつもりで密閉すると、においの原因になります。
詰め込みすぎない。ケースの八分目くらいで止めておくと、空気の通り道が残ります。防虫剤は基本的に上に置くものが多いので、上に隙間がないと効きにくくなります。
洗い方も、防虫剤や乾燥機の使い方も、衣類の洗濯表示と製品の説明どおりにしてください。素材によって答えが変わるところです。
収納を選ぶときの物差し
ケースを買い足すなら、出し入れの手数で考えると迷いません。
取り出す手数。引き出し式は上に別の箱が載っていても開けられますが、ふた式は上をどけないと開きません。重ねる段数が二段を超えるなら、引き出し式のほうが途中で開ける気になります。
高さと重さ。上段に置くケースは、両手で下ろせる重さかどうかを先に確かめておきます。頭より高い位置に重いものを置くと、結局そのまま来年まで開けません。
通気。不織布のカバーは湿気を通しますが、ほこりも通します。かたい樹脂のケースは密閉に近いぶん、湿気が入るとそのまま残ります。置く場所が押し入れの下段なのか、クローゼットの上段なのかで向き不向きが変わります。
この方法が合わない場合
正直に書いておきます。
収納が一か所しかない家では、段階を分けるのが難しいです。手前と奥をつくれる幅がないと、重ねる期間そのものが成立しません。この場合は、上下二段のうち下段だけを入れ替える、といった別の分け方を探すことになります。
家族の人数が多い家でも、全員ぶんを二週間重ねると場所を食います。人数が多いほど、重ねるのは自分と子どもの一軍だけ、と範囲を狭めたほうが現実的です。
気温の振れ幅が小さい地域や、一年を通して室内で過ごす時間が長い人も、そもそも入れ替える必要が薄いことがあります。
今年着なかったものを、この機会に手放さなければ——と思う必要はありません。判断は後回しでいいと思っています。おすすめは、着なかったものだけを別のケースや別の棚に一時的に寄せておくこと。来年の同じ時期にそのケースを開けて、まだ手が伸びなければ、そのときに考えれば十分です。衣替えの日に決断まで持ち込むと、疲れて全部戻すことになりがちです。
おわりに
衣替えがしんどいのは、段取りが悪いからではなく、一日で結果を出そうとしているからだと思います。季節はそもそも一日で変わりません。
まずは今日、長袖を三枚だけ手前に掛けてみてください。それだけで、暑さが戻った朝に慌てなくなります。残りは、涼しさが続くようになってからで間に合います。
暮らしの道具の話や、日々のちょっとした気づきはX(tax_kiichan)でも短く書いています。
※本記事は一般的な情報提供です。仕様や使い勝手は製品によって異なります。実際の使用方法・お手入れは各メーカーの取扱説明書に従ってください。

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