電気圧力鍋で夕方の段取りはどう変わるか。向く料理と選ぶときの物差し

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こんにちは、税理士のきいちゃんです。

「夕方の30分だけ、手があと一本ほしい」

帰ってきて、鍋に火をつけて、そのまま台所を離れられない。あの時間がいちばん立て込みます。子どもに呼ばれる、洗濯機が鳴る、宅配が来る。そのたびに火加減を気にして戻ってくる。

電気圧力鍋を置いてみて何が変わるかというと、料理が速くなることではなく、火のそばに立っていなくてよくなることです。ここを取り違えると「思ったほどではなかった」になります。順に書きます。

「見ていなくていい」だけで、夕方の順番が入れ替わる

材料を入れて、ふたを閉めて、時間を決めて押す。あとは台所を離れられます。この一点で、夕方にやることの順番が変わります。

煮物が動いているあいだに洗濯を回す。宿題の音読を聞く。先にお風呂を沸かしてしまう。今までは「料理が終わってから」だった作業が、料理と同時に進みます。増えた時間は数十分かもしれませんが、体感でいちばん大きいのは、台所と居間を何度も往復しなくなることです。

もうひとつ、地味に効くのが台所が暑くならないことです。加熱中もふたが閉まっているので、湯気で顔が汗だくになる、という夏場のあれが減ります。においも外に出にくいです。

ただし、思ったほど速くはありません

ここは正直に書きます。加圧時間が10分と表示されていても、調理が10分で終わるわけではありません。圧力がかかるまでの予熱と、終わってから圧力が下がるまでの時間が前後につきます。合わせると、実際に食べられるまでは表示の何倍かかかる、という感覚です。

だから、帰ってきて「あと15分でごはん」という日には向きません。強いのは、先に仕込んでおいて、あとは放っておける日です。朝のうちに材料を入れておく、夕方の早い時間にひとつ動かしておく。そういう使い方をすると、いちばん忙しい時間帯に台所仕事が残らなくなります。

きいちゃんメモ

圧力を下げる方法には、自然に下がるのを待つやり方と、操作して蒸気を抜くやり方があります。どちらを使うか、どの料理で使えるかは機種で決まっている部分なので、取扱説明書のとおりにしてください。蒸気は熱いので、抜ける向きの先に顔や手を置かないことだけは徹底したいところです。

向く料理と、向かない料理

得意なのは、時間をかけないとやわらかくならないものです。すね肉やかたまり肉、骨つきの鶏、乾いた豆、根菜の煮物。ふつうの鍋なら弱火で長く見ていないといけないものが、放っておくだけで仕上がります。蒸し器の代わりになる機種なら、さつまいもや茶碗蒸しも任せられます。だしをとる、下ゆでを済ませておくといった下ごしらえにも使えます。

逆に向かないのは、水分が少ない料理です。炒めもの、焼きもの、揚げもの。仕組みとして水分が要るので、そもそもの持ち場が違います。葉物をさっと火通しするだけ、というものも、予熱と減圧のぶん遠回りになります。麺類のように「ゆで加減を見ながら止める」料理も苦手です。ふたを開けて確認できないので、途中で味を直すのが難しい、というのは覚えておいてください。

選ぶときに見ている、お金以外の物差し

先に決めておきたい5つ

  1. 容量。一人ぶんなら小さめ、二人ぶんで少し余る程度、作り置きや家族ぶんなら大きめ。おおまかには2〜3リットル台が家庭用の中心で、機種によって幅があります
  2. 置き場所。炊飯器と同じくらいの場所を取り、ふたを開ける上の空間も要ります。買う前に置く場所を決めておくのが確実です
  3. 重さ。棚から出し入れするなら、内釜だけでなく本体を持ち上げる回数を想像しておく
  4. 洗う部品の数。内釜、ふた、パッキン、蒸気の通る部品。ここが多いほど続きにくくなります
  5. 音と蒸気の抜ける場所。減圧のときに音が出ます。棚の下や壁ぎわだと、蒸気の向きが気になることがあります

実際にいちばん差が出るのは、容量よりも手入れの工程です。パッキンを外して洗って戻す、という一手間が毎回あるかどうかで、使う頻度がはっきり変わります。お店で見るときは、ふたを開けて、外せる部品がいくつあるかを数えてみてください。

合わなかった人の理由も、だいたい決まっています

やめてしまった話を聞くと、理由はいくつかに集まります。

ひとつは置き場所です。出しっぱなしにできず、毎回しまう場所から運ぶことになると、そのうち使わなくなります。台に載せたままにできるかどうかが、続くかどうかを決めているという声をよく聞きます。同じことは掃除機でも起きていて、スティック掃除機は置き場所で使う回数が変わるのほうにも書きました。

ふたつめは洗う手間。洗う部品がひとつ増えるだけで、夜のうちに片づかなくなります。三つめは予約調理です。作ってから食べるまで置いておく使い方は、季節や食材によって向き不向きがあり、暑い時期は使いづらくなりがちです。使えるかどうかは機種の説明に従ってください。

そして、そもそも煮込みをあまり作らない家では出番がありません。ここは正直なところで、道具が悪いわけではなく、持ち場がないだけです。ふだんの献立を思い出して、煮物や汁もの、豆やかたい肉が週に何回出てくるかを数えてみると、答えが出ます。持ち場のないものが家にたまっていく話は、試供品とサンプルが引き出しに溜まっていくのは、片づけのせいじゃないのほうでも書いています。

おわりに

電気圧力鍋は、料理の腕を上げる道具ではなく、夕方の自分をひとり増やす道具に近いと思っています。だから「速いか」ではなく「その時間に手を離せると助かるか」で考えるほうが、たぶん外しません。

いま台所に立っていられる時間が足りていないなら、置く価値はあります。逆に、火のそばにいる時間がそれほど負担でないなら、なくても困りません。どちらが正しいという話ではないので、ご自身の夕方の混み具合で決めてください。

暮らしの道具の話や、日々のちょっとした気づきはX(tax_kiichan)でも書いています。

※本記事は一般的な情報提供です。仕様や使い勝手は製品によって異なります。加圧して調理する器具ですので、実際の使用方法・入れてよい食材・お手入れは、必ずお使いの機種の取扱説明書に従ってください。