こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「昼にあたたかいものが食べたいけれど、毎朝お弁当を作る余裕はない」
九月に入って、昼に冷たいものを食べたあとの物足りなさが気になりはじめました。かといって、朝からおかずを何品も詰める生活は続かないと自分でわかっている。そういう人に向けた話です。
先に結論を書きます。スープジャー(保温タイプのフードコンテナ)は、料理を増やす道具ではありません。朝の数分を、昼のあたたかさに置きかえる道具です。そしてうまくいくかどうかは、どれを買うかよりも、朝にひとつの手順をやるかどうかで決まります。
朝にやることは、実質ひとつだけ
熱いものを入れる前に、本体に熱湯を注いでふたをして、数分置く。それから湯を捨てて、中身を入れる。予熱と呼ばれる手順です。
順番が逆でも入りますし、見た目には何も変わりません。ただ、昼に開けたときの温度がはっきり違います。空っぽで冷えた金属の内側に熱いスープを注ぐと、最初の数分で容器そのものを温めるほうに熱が使われてしまう。予熱をとばした日のスープジャーは、ただの容器になります。「持っていったのにぬるかった」という感想のほとんどは、たぶんここです。
もうひとつ、中身も熱いまま入れます。ぬるいものを入れて温かくなる道具ではないので、前の晩の残りは沸くくらいまで温め直してから注ぎます。
予熱の数分は、待ち時間としてゼロにできません。顔を洗うか髪をまとめるか、その数分に別のことを重ねてしまうのがいちばん楽です。ケトルで沸かした湯を予熱と温め直しに続けて使えば、火を使うのも一回で済みます。
入れてよいもの、避けたいもの
製品ごとの説明書に書かれていることなので、考え方だけ書きます。メーカーが共通して避けるように書いているのは、乳製品、生の肉や魚、炭酸を含むもの、ドライアイスです。
理由をひとつの言い方にまとめると、加熱していないものを、中途半端な温度で何時間も置かないということだと思います。保温容器の中は、朝から昼までゆっくり温度が下がっていく環境です。しっかり火が通ったものを熱いまま入れて、そのまま冷ましていく使い方が前提になっています。
それと、入れすぎです。内側に目安の線があって、そこを超えて詰めると、かばんの中で漏れたり、中で圧が上がってふたが開けにくくなったりします。線の手前で止めておくのが、いちばん簡単な備えです。
入れてよい食品、保温してよい時間、洗い方の指定は製品によって違います。実際の使用方法・お手入れは各メーカーの取扱説明書に従ってください。
容量は、かばんから逆算する
大きく二つの使い方があります。
三百ミリリットル前後は、汁物を一品足す用途です。おにぎりやパンを別に持って、あたたかいものを添える。かばんの中で場所を取りません。
四百ミリリットル前後になると、主食そのものを入れられます。おかゆ、リゾット、スープパスタ。これ一つで一食になるので、朝に用意するものが一種類で終わります。
保温という点だけ見れば、中身が多いほうが冷めにくいので、大きいほうが有利です。持ち時間は六時間程度を目安にしている製品が多く、朝に入れて昼に食べるには足ります。ただ、ここで大きさを決めると失敗します。かばんに入らないものは、二週間で使わなくなります。買う前に、いつも持っているかばんの深さをはかっておくのがいいと思います。
続くかどうかは、洗う部品の数で決まる
手入れの話は、地味なのに一番効きます。見るのはふたの構造です。パッキンが外れる作りかどうか、外側と内側のふたが分かれているか。分解して洗う部品が二つで済むのか、四つになるのか。
部品が一つ増えると続かない、というのは道具全般に言えることですが、毎日の昼ごはんではとくにそうです。夜に帰ってきて、洗って乾かして、翌朝までに組み直す。この一往復に部品が四つ並ぶと、だんだん「今日はいいか」になります。食洗機がない台所で、洗い物を減らす順番でも書きましたが、洗い物は数より工程の数で重く感じます。
楽にする方法もあります。食べ終わったらその場で少し湯か水を入れておく。中が乾いてはりつく前に戻せるので、夜の洗い物が一段軽くなります。
合わなかった人の理由と、保温を助ける小さなこと
向かない人の理由は、だいたい四つです。朝に予熱の数分が取れない人。洗い物がこれ以上増えるのが無理な人。昼に食べる場所が日によって変わる人。かばんが浅くて縦に入らない人。どれも工夫では埋まらないので、当てはまるなら無理に使わなくていいと思います。
続けている人がやっているのは、ほんの小さなことです。専用のポーチに入れるか、なければ手ぬぐいやハンカチで包む。かばんの中では立てて入れる。そして、昼まで開けない。ふたを開けるたびに温度は落ちるので、様子を見るために開けるのがいちばんもったいない使い方になります。持ち物の定位置を決めておくと入れ忘れも減るので、仕事バッグを夜に戻す習慣と組み合わせるとうまく回ります。
朝に確かめる3つ
- 本体に熱湯を注いで、数分の予熱をしたか
- 中身は熱いまま、内側の目安線を超えていないか
- 今日のかばんに、立てた状態で入るか
朝に温めるのは必須ですか
省いても入れられますが、昼の温度は落ちます。数分待てない日は、中身を目安線の手前までしっかり入れるほうが持ちやすくなります。それでも、予熱をした日との差は開けたときにわかります。
洗いにくくないですか
形は深いので、底まで届く柄付きのブラシがあると楽です。差が出るのはむしろふたのほうで、買う前に分解のしかたを見て洗う部品が少ないものを選ぶのが、続けるための確実な選び方だと思います。
前の晩に入れて、朝まで置いてもいいですか
おすすめしません。保温の目安時間を大きく超えますし、中途半端な温度で長く置くことになります。前の晩にやるなら、鍋で作っておくところまで。ジャーに移すのは朝、温め直してからにしてください。
おわりに
この手の道具は、毎日使わないと意味がないように思えて、そこで止まってしまいがちです。でも実際に続いている使い方は、たいてい週に二回くらいです。週に二回、昼にあたたかいものが食べられれば、それで十分に意味があります。前の晩に汁物を少し多めに作った日だけ、と決めておくのがちょうどいいと思います。暮らしの道具の話は X(@tax_kiichan)でも書いています。
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※一般的な情報提供です。仕様や使い勝手は製品によって異なります。入れてよい食品・保温時間・実際のお手入れ方法は、各メーカーの取扱説明書に従ってください。

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