こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「国税をクレジットカードで払うとポイントが付くので、手数料より必ず得になりますか?」
必ず得になるとは限りません。国税のクレジットカード納付は、納付税額1万円ごとに税込99円の決済手数料が加算されます。ポイント還元の対象や還元率はカード会社の規約で決まるため、実際のポイントと手数料を比べて選びます。
自宅から24時間手続でき、カードの支払日まで現金流出を遅らせられる点は便利です。一方、領収証書が出ない、納付手続を取り消せないなどの注意もあります。
手数料は1万円の区切りごとに99円
2026年8月29日時点の国税庁案内では、納付税額1円から1万円までが99円、1万1円から2万円までが198円です。その後も1万円を超えるごとに99円ずつ増えます。
決済手数料の例(税込)
- 納付税額10,000円:99円
- 納付税額10,001円:198円
- 納付税額50,000円:495円
- 納付税額100,000円:990円
- 納付税額100,001円:1,089円
区切りを1円超えるだけで手数料が99円増えるため、実効負担率は納付額によって少し変わります。国税クレジットカードお支払サイトには手数料の試算機能があるので、確定した納付額で確認してください。
ポイントはカード会社の規約で確認する
仮に納付税額10万円に1%相当のポイントが付くなら1,000円相当で、決済手数料990円との差は10円です。ただし、税金はポイント対象外、通常より低い還元率、ポイントの価値が1ポイント1円未満というカードもあります。
年会費やポイント交換手数料まで国税納付だけに負担させると、実質的に赤字になることもあります。「通常の買い物が1%だから税金も1%」と決めず、カード会社の国税・公共料金のポイント条件を確認しましょう。
損得がほぼ同じなら、資金繰りと管理のしやすさで選んでかまいません。ただし、カードの引落日に払えずリボ払いや延滞になれば、ポイントを大きく上回る負担になり得ます。
利用上限・領収証書・取消不可に注意
クレジットカード納付は、納付税額が1,000万円未満の手続です。さらに、納付税額と決済手数料の合計がカードの利用可能額に収まる必要があります。税目や課税期間、申告区分、金額を自分で入力するときは、申告書や通知書と一文字ずつ照合します。
手続が完了すると取消しはできません。税目や課税期間を誤った場合は所轄税務署へ連絡しますが、決済手数料は国の収入ではないため、誤納しても国税の還付対象にはなりません。
領収証書も発行されません。納付完了画面を印刷またはPDF保存し、完了メールとカード明細を一緒に残します。決済手数料の適格簡易請求書としては、完了画面または一定の場合の完了メールを保存するよう国税庁が案内しています。
領収証書が必要なら、現金に納付書を添えて金融機関または税務署窓口で納めます。窓口でカードを出して支払う制度ではなく、専用のお支払サイトを通じたインターネット手続です。
振替納税と二重払いにならないようにする
振替納税を利用している税目をカードで先に払っても、口座振替が自動で止まるとは限りません。国税庁は、特に振替日と納期限が同じ税金でカード納付を希望するとき、あらかじめ所轄税務署へ連絡するよう案内しています。
確定申告分の所得税や個人事業者の消費税など、振替日が後に設定される税金もあります。カード納付へ変更するなら、税務署への連絡方法、振替停止の対象税目、今回限りか今後も変更するかを確認してください。
予定納税額が現在の見込みより大きい方は、支払方法を変える前に予定納税の減額申請ができないか確認します。納期限を過ぎそうなときは、期限遅れの延滞税と加算税も早めに確認してください。
納付前の比較手順
カードを使う前の5確認
- 専用サイトで納付額に対する手数料を試算する
- カード会社へ税金の還元率・対象可否を確認する
- 税額と手数料が利用可能額に収まるか確認する
- 振替納税との二重払いが起きないか確認する
- 税目・課税期間・金額を照合して完了記録を保存する
消費税の納付見込みが大きくなる事業者は、売上1,000万円を超えた後の消費税も確認し、申告期限より前から納税資金を分けておきましょう。
カード払いを選んでも、税金そのものの支払期限がカードの口座引落日まで延びるわけではありません。納期限までに専用サイトで納付手続を完了させます。カード会社への支払日には、税額と手数料の合計が口座から落ちるため、その日までに資金を確保してください。
納付手続完了画面は、その場で保存します。国税庁のQ&Aでは、後から専用サイト上で納付内容を確認できないと案内されています。完了画面、完了メール、申告書の納付額、カード明細を同じフォルダへまとめ、税目と課税期間を検索できる名前にしておくと照合しやすくなります。
おわりに
国税のクレジットカード納付手数料は、1万円の区切りごとに税込99円です。ポイントだけで得と判断せず、カードごとの還元条件、資金繰り、記録の残し方まで含めて比べます。
確定した税額で手数料を試算し、カード会社の税金還元率を確認するのが最初の一歩です。納期限当日に慌てないよう、利用可能額も前日までに確かめてください。
税金と仕事のお金の話はX(tax_kiichan)でも書いています。
※本記事は2026年8月29日時点の国税庁公表資料にもとづく一般的な情報です。決済手数料、利用可能額、ポイント条件、納付方法は変更される場合があります。手続前に国税庁、専用サイト、カード会社の最新情報をご確認ください。

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