ねんきん定期便はどこを見る?税理士が教える3つのチェック点

執筆者:

カテゴリ:

こんにちは、税理士のきいちゃんです。

毎年、誕生月に「ねんきん定期便」というハガキが届きます。開いてはみるけれど、数字が並んでいるだけでよく分からず、そのまま引き出しへ。よくあることだと思います。

でもこのハガキ、見るべきところは3か所だけです。しかも、そこに間違いがあると将来の年金が減ります。5分だけおつきあいください。

見るところ1:加入期間に空白がないか

いちばん大事なのがここです。「これまでの年金加入期間」という欄を見てください。

年金は、原則として加入期間が10年(120か月)以上ないと受け取れません。ここが足りないと、それまで払った保険料が受給に結びつかなくなります。

とくに空白が生まれやすいのが次のタイミングです。

  • 学生時代(納付猶予を使ったまま追納していない)
  • 転職と転職のあいだの数か月(国民年金の手続きを忘れた)
  • 会社を辞めてフリーランスになった直後
  • 配偶者の扶養から外れたとき(切り替えの手続き漏れ)

心当たりがあれば、50歳未満の方に届く定期便には月ごとの納付状況が載っていますので、そこで確認してください。

見るところ2:年齢によって数字の意味が違う

ここを勘違いしている方が非常に多いです。

  • 50歳未満/載っているのは「これまでに払った分」で計算した年金額。これから払う分は入っていません
  • 50歳以上/いまの働き方が60歳まで続いた場合の「見込額」

30代の方が定期便を見て「年金がこれだけしかないの」と青くなることがありますが、それは今日時点までの積み上げです。これから30年働けば、当然その分は増えます。

きいちゃんメモ

もっと詳しく知りたい方には「ねんきんネット」がおすすめです。今後の働き方や収入を入れて試算できるので、定期便のハガキよりずっと実感がわきます。マイナポータルと連携させれば、ログインも簡単になります。

見るところ3:標準報酬月額が実際と合っているか

会社員・元会社員の方は、月ごとの「標準報酬月額」を見てください。これは社会保険料と将来の年金額の計算に使われる数字です。

実際の給料とかけ離れていないかを確認します。低く登録されていると、将来の厚生年金が少なくなります。

おかしいと思ったら、ハガキに書かれている年金事務所か、ねんきん定期便専用ダイヤルに連絡してください。記録の訂正はさかのぼって行われます。

空白があったときにできること

追納する(猶予・免除を受けていた場合)

学生納付特例や免除を受けた期間は、10年以内であればさかのぼって納められます。追納すれば、その分だけ将来の年金が増えます。

しかも、追納した保険料は全額が社会保険料控除になります。所得税と住民税が減るので、実質的な負担は額面より小さくなります。所得が高い年にまとめて追納すると効率がいい、というのは実務でよくお伝えする話です。

ただし10年を過ぎると納められなくなります。期限だけは意識してください。

未納なら、まず免除や猶予の相談を

払えなくて放置している「未納」と、手続きをした「免除・猶予」はまったく違います。

  • 未納/受給資格期間に入らない。障害年金・遺族年金が受けられなくなることもある
  • 免除・猶予/受給資格期間には入る。あとから追納もできる

払えないときこそ、放置せずに年金事務所か市区町村の窓口へ行ってください。手続きをするだけで扱いがまったく変わります。

ねんきん定期便で見る3か所

  1. 加入期間に空白がないか(10年に届いているか)
  2. 年金額の意味(50歳未満は「これまでの分」)
  3. 標準報酬月額が実際の給料と合っているか

フリーランスの方が知っておくといい制度

国民年金だけだと、会社員に比べて将来の年金は少なくなります。上乗せの手段がいくつかあるので、名前だけでも知っておいてください。

  • 付加年金/月400円を上乗せして納めると、受け取る年金が「200円×納めた月数」増えます。2年受け取れば元が取れる計算になる、小さいけれど効率のいい制度です
  • 国民年金基金/掛金は全額が社会保険料控除。ただし付加年金とは併用できません
  • iDeCo/掛金が全額所得控除。ただし60歳まで引き出せません

どれを使うかは、所得の安定度と「いつまで手をつけずにいられるか」で決まります。

FPカフェ(無料のお金・保険相談)

ねんきん定期便で加入期間と年金額を確かめたら、次に考えるのは「足りない分をどう備えるか」です。付加年金・国民年金基金・iDeCoのどれを組み合わせるかは、収入の安定度や家計全体で答えが変わります。自分だけでは決めにくい方には、無料で相談できる窓口もあります。対象年齢や申込条件、相談後に保険などの提案があるかどうかは、公式サイトで先に確認してください。

おわりに

年金の記録は、放っておいても誰も直してくれません。気づけるのは自分だけです。

次に定期便が届いたら、引き出しに入れる前に3か所だけ見てください。それだけで、将来の何十万円かが変わるかもしれません。

Xでも税金とお金の話をつぶやいています。よければ@tax_kiichanものぞいてみてください。

※本記事は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく一般的な情報提供です。年金記録や受給に関する個別の判断は、年金事務所またはお住まいの市区町村にご確認ください。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です