こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「去年の領収書、もう捨てていいですか? どれを何年残せばいいのか、毎年わからなくなります」
先に答えを書きます。青色申告なら帳簿は7年、書類は種類によって7年のものと5年のものがあります。ただ、区分を一枚ずつ判断していると必ずどこかで間違えます。私が実務でおすすめしているのは、迷ったら全部まとめて7年。これがいちばん事故が起きません。
「これは5年でしたっけ、7年でしたっけ」は、確定申告の時期になると毎年どなたかに聞かれる質問です。仕分けの手間と、捨ててはいけないものを捨ててしまうリスクを比べたら、7年でそろえるほうがずっとラクです。
青色申告の保存期間は「帳簿7年、書類は7年と5年」
国税庁の区分にそって整理すると、青色申告をしている個人事業主の保存期間はこうなっています(2026年8月時点)。
- 帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など):7年
- 決算関係書類(損益計算書、貸借対照表、棚卸表など):7年
- 現金預金取引等関係書類(領収証、小切手控、預金通帳、借用証など):7年
- その他の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など):5年
ここに例外がひとつあります。現金預金取引等関係書類は原則7年ですが、前々年分の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下の方は5年でよいことになっています。ただ、この「前々年分」の判定は年によって変わりますよね。ある年は5年、次の年は7年、という残し方をしていると、必ずどこかで取り違えます。だから最初から7年にそろえてしまうのです。
数え始めるのは「もらった日」ではありません。帳簿ならその閉鎖の日の属する年の翌年3月15日の翌日から、書類なら作成または受領した日の属する年の翌年3月15日の翌日から数えます。つまり申告期限の翌日スタートなので、体感としては「その年の分は、申告してから7年」と思っておけば大きくずれません。
白色申告でも、帳簿は7年残す
「白色だから保存はいらない」と思っている方がときどきいらっしゃいますが、白色申告でも記帳と保存の義務があります。区分は青色より少しシンプルです。
- 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿):7年
- それ以外の帳簿(任意帳簿):5年
- 棚卸表、請求書、納品書、送り状、領収書などの書類:5年
白色でも、いちばん大事な帳簿は7年です。結局のところ青色でも白色でも、上限は7年。「7年で全部そろえる」がどちらでも通用する答えになります。
なお、細かい区分やご自身がどれに当たるかは、国税庁の「記帳や帳簿等保存・青色申告」のページで確認してください。制度の説明としてはここがいちばん正確です。
消費税の課税事業者は、別に7年のルールがある
もうひとつ、消費税の課税事業者になっている方は注意が必要です。仕入税額控除を受けるには、帳簿と請求書等(インボイス)を保存していることが要件になっていて、こちらも原則7年の保存が求められます。
つまり、所得税のほうでは5年と読める請求書も、消費税の課税事業者にとっては7年残すべき書類になりうるということです。この意味でも、全部7年でそろえておくのが安全です。
たまらない残し方は「月ごとに放り込む」だけ
ここからが実務の話です。保存でつらいのは期間の長さではなく、整理しようとして挫折することです。きれいに台紙へ貼ろうとすると、だいたい3月で止まります。おすすめはこの順番です。
- 月ごとの封筒を12枚つくる。「2026-01」のように年月だけ書いて、その月の紙は中身を分類せず放り込むだけ
- 年が終わったら12枚まとめて袋か箱へ入れ、外側に年と「◯年◯月まで保存」と書く。捨てていい年が一目でわかります
- スキャンや撮影は「探すため」に使う。パソコンやクラウドに「2026」「2026-01」と年月フォルダを作り、撮った画像を入れておくと、あとで探すときに箱を開けずに済みます
ひとつ注意を。スキャンしたからといって、紙の原本をすぐ捨てていいわけではありません。原本を廃棄できるのは電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たした場合で、要件を満たさないままの撮影は、あくまで自分用の控えです。迷ううちは、紙は捨てずに置いておいてください。
逆に、メールやWebサイトで受け取った請求書・領収書などの電子取引のデータは、原則としてデータのまま保存することになっています。印刷した紙だけを残してデータを消す、という運用は避けてください。要件の詳細は国税庁の電子帳簿保存法のページで確認するのが確実です。
そのうえで、帳簿と証憑を最初からひとつの場所に集めてしまうのが、いちばん手間の少ないやり方です。
マネーフォワード クラウド確定申告
銀行口座やカードと連携して明細を自動で取り込めるので、あとから通帳やカード明細をさかのぼる作業が減ります。仕訳に証憑ファイルを紐づけて残せる点も、保存という観点では助かります。ソフトを使えば保存要件が自動的に満たされるわけではありませんが、7年後に探せる状態を保つ手段としては現実的です。
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感熱紙のレシートは、文字が消えてしまいます
これは本当によくあります。7年後に開けたら真っ白、という状態です。金額の大きいものだけでも、受け取った時点でスマホで撮っておいてください。紙は封筒に入れたまま、画像は年月フォルダへ。それで内容は残ります。
廃業したら、その時点で捨てていいですか
いいえ。保存期間は事業を続けているかどうかとは関係なく進みます。廃業した年の分も、その年の申告期限の翌日から数えた期間が終わるまでは残してください。
残していなかったら、どうなりますか
税務調査で経費の裏づけを示せないと、その支出を認めてもらえないおそれがあります。青色申告の場合、帳簿書類の保存がないことが青色申告の承認取消しにつながることもあります。過ぎたことは仕方ないので、これからの分をきちんと残しましょう。
今日から決めておきたい3つ
- 期間は迷わず「全部7年」でそろえる
- 月ごとの封筒に放り込むだけ。分類はしない
- メールで受け取った請求書はデータのまま残す
おわりに
保存は、完璧にやろうとするほど続きません。封筒を12枚用意して、月が変わったら新しい封筒を出す。それだけでも、いざというときにたどり着ける状態になります。束になったレシートがある方は、まず年ごとに分けるところからで十分です。
お金まわりの小さな気づきは、X(@tax_kiichan)でも書いています。
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※本記事は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく一般的な情報提供です。保存期間の区分や電子帳簿保存法の要件は改正されることがあり、ご自身がどの区分に当たるかは事業の状況によって異なります。個別の税務判断は、税務署または税理士にご相談ください。

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