こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「フリーランスにも税務調査って来るんですか?」
来ます。ただ、多くの方が想像しているような、朝いきなり大勢で押しかけてくるものではありません。
実際は事前に電話で日程を相談してから、調査官1人か2人が来るのが普通です。必要以上に怖がるより、何を見られるかを知っておくほうがずっと役に立ちます。
見られるのはこの4つ
1. 売上の計上もれ
いちばん重点的に見られます。経費を細かく突っつかれるより、売上が抜けていないかのほうが金額が大きいからです。
典型的なのが年またぎです。12月に納品して1月に入金された仕事は、去年の売上として計上しなければなりません。入金日で処理していると、まるごと1件抜けます。
ほかにも、現金で受け取った仕事、複数ある口座のうち1つを事業に含めていない、といったケースがあります。
2. 私的な支出が経費に混ざっていないか
家族との食事を接待交際費にしていないか。プライベートの旅行が旅費交通費に入っていないか。
ここで効いてくるのが、レシートに書いたひとことメモです。「〇〇社と打ち合わせ」と残っていれば説明が一瞬で済みます。何も書いていないと、記憶をたどって説明することになります。
3. 家事按分の割合に根拠があるか
自宅兼事務所の家賃や光熱費です。聞かれるのは金額そのものではなく、その割合をどう決めたか。
「仕事部屋が8畳で、住まい全体が40畳だから20%」と説明できれば問題ありません。間取り図に仕事スペースを書き込んで保管しておくと、それだけで話が早く終わります。
4. 帳簿と領収書がそろっているか
帳簿の保存期間は原則7年です(青色申告の場合、書類の種類によっては5年のものもあります)。
そろっていないこと自体がただちに問題になるわけではありませんが、説明の裏づけがないと、こちらの言い分が通りにくくなります。
調査官は「間違いを探しに来る人」ではなく、「申告の内容を確認しに来る人」です。分からないことを聞かれたら、その場で無理に答えず「確認して後日お答えします」で問題ありません。あいまいな記憶で答えて、あとで話が食い違うほうがこじれます。
来やすいのはどんなとき
絶対の基準はありませんが、実務上こういう年は目につきやすいと言われます。
- 売上が前年から大きく動いた(増えた年も、急に減った年も)
- 売上が1,000万円のすぐ下で何年も止まっている
- 売上に対して経費の割合が同業と比べて極端に高い
- 数年間まったく申告していない、または赤字が続いている
ただし、これらに当てはまるからといって後ろめたく思う必要はありません。理由を説明できれば何の問題もない話です。実際、売上が伸びる年も落ちる年も普通にあります。
連絡が来たらどうするか
- 日程は相談できる/指定された日に予定があれば、ずらしてもらってかまいません
- 税理士に相談する/顧問がいなくても、立ち会いだけ依頼できることがあります
- 資料を整える/帳簿、通帳、請求書、領収書、契約書を年度ごとにまとめておく
- 直せるものは先に直す/調査の連絡前に自分で修正申告すれば、加算税が軽くなる扱いがあります
4番は意外と知られていません。明らかな間違いに心当たりがあるなら、先に自分から直すほうが有利です。
いちばんの備えは、日々の記録
調査に強い人と弱い人の差は、知識の量ではありません。説明できる記録が残っているかどうかだけです。
- 売上は納品日で計上する(入金日ではない)
- レシートに目的をひとことメモする
- 家事按分の根拠を1枚のメモにして保管する
- 事業用とプライベートの口座・カードを分ける
口座を分けるのがいちばん効きます。事業の口座だけ見れば説明が完結するので、こちらもラクですし、調査も短く終わります。
会計ソフトを使っていれば、取引ごとの摘要欄にメモを残せます。銀行やカードを連携しておけば入出金は自動で入ってくるので、あとはメモを添えるだけです。
マネーフォワード クラウド確定申告
銀行・カードの明細を自動で取り込み、取引ごとに摘要のメモを残せます。事業用の口座を連携しておけば「いつ・どこに・いくら」の記録が自動で積み上がるので、あとから説明を求められたときに探す手間がありません。家事按分の設定にも対応しています。
公式サイトを見る
PR
おわりに
税務調査は、正しく申告している人にとっては「確認作業」です。怖いのは、記録がなくて説明できないときだけ。
逆に言えば、日々の記録がある人は何も心配いりません。今日のレシートに一行メモを書くことが、いちばんの備えになります。
Xでも税金とお金の話をつぶやいています。よければ@tax_kiichanものぞいてみてください。
あわせて読みたい
※本記事は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく一般的な情報提供です。帳簿の保存期間や加算税の取り扱いは状況によって異なります。実際の対応は、税務署または税理士にご相談ください。

コメントを残す