こんにちは、税理士のきいちゃんです。
「7月に予定納税を納めたばかりなのに、11月にもまた納めるんですか」
答えは、原則として納めます。予定納税は原則年2回で、第2期分の納期は11月1日から11月30日まで。2026年(令和8年)の納期限は11月30日(月)です。振替納税でない方について、国税庁が案内する納付期間は11月2日(月)からです。
ただし、今年の税額が通知の基準額より少なくなりそうなら、第2期分は減額申請ができます。通常は11月15日までですが、2026年は日曜日のため、提出期限は11月16日(月)です。
予定納税は「今年分の所得税の前払い」
予定納税は、その年の所得税と復興特別所得税の一部を先に納める制度です。追加の税金ではありません。翌年の確定申告で年間の税額から予定納税額を差し引き、差額を納めるか、納め過ぎなら還付を受けます。
対象は、その年の5月15日現在で確定している前年分の所得や税額などをもとに計算した予定納税基準額が15万円以上になる方です。前年に初めて利益が大きく出た場合は、6月の通知額に驚くこともあります。
通知は6月15日まで。金額は基準額の3分の1ずつ
予定納税額は、原則として所轄税務署長から6月15日までに書面またはe-Taxで通知されます。第2期分の納付書は後日送付されますが、振替納税やクレジットカード納付など、納付書以外の方法を使っている方、ダイレクト納付の届出をした方には送られません。通知書は確定申告まで保管してください。
納めるのは原則として基準額の3分の1ずつです。基準額が30万円なら、第1期10万円、第2期10万円。その年の確定税額も30万円なら、残る10万円を翌年の確定申告で精算します。納期は第1期が7月1日から31日、第2期が11月1日から30日です。
2026年の振替日は11月30日(月)です。特別農業所得者は例外で、基準額の2分の1を第2期分として1回だけ納めます。
所得が減る見込みなら、減額申請ができる
予定納税は前年の実績をもとにするため、今年の売上が落ちると実態に合わないことがあります。これを調整するのが予定納税額の減額申請です。
対象例は、廃業・休業・失業、業況不振、災害等による事業用資産の損害、医療費控除や扶養控除などの増加です。受注そのものが減っているなら業況不振に当たり得ますが、承認は税務署の審査によります。
請求済みの報酬が未払いのままでも、原則として売上には計上します。未回収というだけでは所得は減りません(現金主義の特例を選択している場合や、貸倒れなどは別です)。
手元資金が足りないことだけでは、減額の理由になりません。判定するのは今年の申告納税見積額です。資金繰りが理由なら、税務署の徴収担当へ納付相談をしてください。
提出できる期間と、判定の基準日
- 第1期分・第2期分をまとめて減らす … 7月1日から7月15日まで(その年6月30日の現況で見積もる)
- 第2期分だけを減らす … 11月1日から11月15日まで(その年10月31日の現況で見積もる)
期限が土・日曜日・祝日等なら、その翌日が期限です。2026年は11月16日(月)まで。閉庁日でも郵送または税務署の時間外収受箱で提出できます。
「令和8年分所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」を、所轄税務署長へe-Taxソフト、持参または郵送で提出します。申告納税見積額の根拠書類も必要です。10月までの試算表と年末までの見込みをそろえましょう。
試算表を作る前に帳簿づけが止まっている方は、マネーフォワードとやよいを比べるときの見方から、自分で続けやすい会計ソフトを確認できます。
2026年の基礎控除見直しは、予定納税額にも減額申請の申告納税見積額にも反映されません。新しい基礎控除での精算は確定申告のときです。
第2期の期限後と納め方を確認する
期限後は、翌日から納付日まで延滞税がかかります。第2期分は、2026年12月中は年2.8%。2027年1月中は年7.3%と「延滞税特例基準割合+1%」の低い方、2月1日以後は年14.6%と「同割合+7.3%」の低い方です。2027年の割合は2026年11月30日までに告示されるため、年をまたぐ場合は国税庁で確認してください。詳しくは期限に遅れたときの記事にもまとめています。
納め方は選べる。振替納税は申込が必要
- 振替納税 … 口座引落し・手数料なし。事前に依頼書の提出が必要
- ダイレクト納付 … 口座引落し・手数料なし。e-Taxの利用開始手続と届出が必要
- インターネットバンキング等、クレジットカード … カードは決済手数料あり
- スマホアプリ納付 … 納付税額30万円以下
- コンビニ・窓口 … コンビニはバーコード付納付書1枚につき30万円以下
よくある質問
7月に減額申請をしました。11月も自動で減りますか
7月の申請は第1期分・第2期分の両方が対象なので、承認されていれば第2期分にも反映されています。その後さらに所得が落ち込んだなら、10月31日の現況で見直して11月にもう一度申請できます。
予定納税額は、確定申告書のどこに書きますか
「予定納税額」の欄に、通知書の第1期分と第2期分の合計額を記入します。実際に納付したかどうかにかかわらず記入し、減額承認を受けた方は変更後の合計額を使います。
おわりに
前年実績をもとに今年の税金を先に納めるのは、売上が落ちた年ほどこたえます。だからこそ減額申請があります。
まず通知書を確認し、今年の見積税額が基準額より少なくなりそうなら、11月16日(月)までに減額申請を出してください。早めに数字をまとめれば、落ち着いて判断できます。
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※本記事は執筆時点(2026年8月)の制度にもとづく一般的な情報提供です。個別の税務判断は、税務署または税理士にご相談ください。

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